時折、新規のお客様から「どんなブランドを取り扱っているの？」と尋ねられます。
私がこの業界で10年以上を過ごしたことを考えると、正直なところ、ブランドへの執着は風化してきました。

確かに、心惹かれるブランドは存在します。
しかし、それが必ずしもすべてのお客様に合致するわけではありません。
だからこそ、私はブランドよりもコンセプトを優先する選択をしています。
店を続けていく中で、新たなブランドを迎え入れることもあれば、別れを告げることもあります。

この店を構えた当初からの夢は、サイズを基軸にしたアイウェアの提案でした。
これは従来のセレクトショップの概念とは一線を画しています。

そうした理念に基づき、私たちはブランドを前面に押し出す陳列はしません。
シーソーでは、テイストごとに商品を展示し、ブランドの枠を超えて視界を広げていただきたいと考えています。
大きな鏡の下には、サイズごとに並べた商品があります。

私たちの想う流れは、以下のようなものです。
① 店内を見て、広く浅く、現在のテイストを探る。
② 顔の大きさや目の幅に合わせたサイズを確認。
③ 適切なサイズを理解した上で、サイズとテーマに基づきメガネを再試着。

ブランドや型番に囚われてしまうと、プロダクトの引力に惹かれがちですが、着用感やイメージに違和感が生じることも少なくありません。
ブランドを超えることで、同じテイストでも個々に合ったサイズを選べるようになります。

もちろん、ブランドには独自の魅力がありますが、重要なのは使い心地か、見た目か、そのバランスです。
シーソーのように。

サイズを軸に、メガネ選びを楽しんでみてください。