SEESAW SPECTACLES

2024/06/07 14:25

インタビュアー(I): こんにちは、今日は2023年10月に東京目黒区にオープンしたSEESAW SPECTACLESのオーナー、石川明さんにお話を伺います。まずは石川さん、自己紹介をお願いします。

石川明(石川): こんにちは、代表の石川明です。1980年生まれで、静岡県出身です。父が1974年から眼鏡店を営んでいたため、目は良かったものの、メガネが常に近くにある環境で育ちました。高校卒業後は美容師を目指して都内で働いていましたが、26歳の時に家業を継ぐために眼鏡店に転職しました。都内眼鏡店勤務後、28歳で伊豆に帰り、家業の眼鏡店を継いでリニューアルオープンしました。



I: それは興味深い経歴ですね。家業をリニューアルする際、どのような変化をもたらしたのでしょうか?

石川: 初めの3年は父から引き継ぐために自分のやり方はせず、ただひたすら父のやり方を真似しました。それから地元のお客様に顔を覚えてもらったくらいから町の眼鏡店から少しずつコンセプトショップに変え、地域密着型から広範囲に商圏を広げました。また、2016年にはアイウェアメンテナンスブランドを立ち上げ、全国の眼鏡店やライフスタイルショップに商品を卸しています。2020年にはアイウェアブランドも立ち上げ、アジアを中心に商品を展開しています。これらの展開により、出張が多くなったことで伊豆では身動きが取りづらくなり東京とのに拠点生活を3年ほどしていました。そして2023年にSEESAW SPECTACLESをオープンすることにしました。

I: 眼鏡店の運営において、特に重視しているポイントは何ですか?

石川: 眼鏡店に来るお客様は千差万別で、顔の大きさや好みも様々です。ですがメガネは残念ながら1つのデザインに対して1つのサイズしか作っていません。到底一つのサイズで全員が満足するメガネを作ることはできません。好きなメガネと似合うメガネが異なるのはここが問題であり、無理にデザインが好きだからという理由だけで選んでも、サイズが合わないと長く使うことも難しいです。これまでのセレクトショップでは対応しきれない部分を補うために、プロダクトメインの販売形式からパーソナルメインの販売形式にシフトしました。

I: パーソナルメインの販売形式について、もう少し詳しく教えてください。

石川 従来のセレクトショップは、どのブランドを取り扱うかでお店の価値を高めるプロダクトプッシュ型の展開でした。しかし、オンラインで購入する機会が増えた時代にはそぐわない部分も多いです。やはりメガネは実際にかけてみないとわからない。だから私たちは実店舗としての体験価値を重視し、このブランドのこのモデルが素晴らしいよね!という提案だけではなく、お客様の顔やライフスタイルに合ったものを、サイズを基準にメガネを選ぶことで、より適切なメガネを提供できると考えました。
具体的には、まずお客様の顔のサイズを測定し、それに基づいてデザインを選び、試着するというプロセスを導入しました。これにより、お客様が本当に自分に合ったメガネを見つけやすくなり、長く快適に使用していただけます。


I: そのアプローチは非常にユニークですね。お客様の反応はいかがですか?

石川: 非常に好評です。サイズに合ったメガネを提供することで、視界が広がり、掛け心地が良くなるなど、多くのメリットがあります。特に視力が低く度の強い方には、レンズを薄く仕上げることができるため、大変喜ばれています。
また、お客様の気分や感性を大切にしながら、プロの目線でしっかりと言語化しながらメガネ選びをサポートすることで、これまで苦手だと思っていたデザインにも挑戦していただけるようになりました。実際に店頭でお客様が新しいスタイルに挑戦する姿を見るのは、私たちにとっても大きな喜びです。

I: SEESAW SPECTACLESの他店との大きな違いは何ですか?

石川: SEESAW SPECTACLESでは、プロダクトメインの販売ではなく、お客様一人一人の個性やニーズに合わせたパーソナルメインのスタイリングを重視しています。例えば、服や靴を買う時にはサイズが重要な要素ですが、メガネにおいても同様にサイズが重要です。多くの人が好きなデザインを選んで試着しますが、サイズを考慮しないために満足のいく結果にならないことが多いです。
そのため、私たちはお客様の顔のサイズを測定し、サイズに基づいたデザイン選びを提案しています。また店頭の商品には個別にサイズを表記しています。これにより、お客様が本当に自分に合ったメガネを見つけやすくなりますし、メガネの機能性も向上します。

I: なるほど、メガネの選び方自体を変えるアプローチなんですね。それにより、お客様にはどのようなメリットがありますか?


石川: サイズに合ったメガネを選ぶことで、視界が広がり、掛け心地が良くなることが挙げられます。また、度の強い方にはレンズを薄く仕上げることができ、重さや見た目の問題も軽減できます。さらに、メガネのデザインも自分の顔に合ったものを選べるため、見た目にも自信を持つことができます。


I: SEESAW SPECTACLESのコンセプトについて、もう少し教えてください。


石川: SEESAW SPECTACLESのコンセプトは『サイズを軸に、メガネを遊ぶ。』です。お客様一人一人に最適なメガネを提供するために、顔のサイズを基にしたメガネ選びを提案しています。従来のセレクトショップでは、どのブランドを取り扱うかでお店の価値を高めようとしていましたが、私たちはお客様自身の価値を引き出すことを目指しています。
具体的には、サイズを基にしたメガネ選びをサポートするために、独自のサイズ定義「ESCHR(イシュー)」を導入しました。この「ESCHR」は元々ある世界共通のメガネサイズ表記方法「ボクシングシステム」をアップデートしたものです。SML表記にまとめることでエンドユーザーが簡単に自分のサイズを把握できるように工夫しました。



I: 最後に、お客様に向けてメッセージをお願いします。


石川: ぜひSEESAW SPECTACLESにお越しください。これまでのメガネ選びの常識を覆す体験を提供できると自信を持っています。きっと自分にぴったりのメガネに出会えるはずです。お客様一人一人の個性やニーズに合わせたメガネ選びをサポートすることで、より快適でスタイリッシュなアイウェアライフをお届けします。

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【インタビュー2】
ショップコンセプトとESCHR


【インタビュー店舗のこだわり