SEESAW SPECTACLES

2024/06/07 20:59



インタビュアー(I):
本日は、SEESAW SPECTACLESの店主、石川明さんにお話を伺います。石川さん、まずはショップコンセプトについて教えてください。

石川: 私たちのショップコンセプトは「サイズを軸に、メガネを遊ぶ。」というものです。このコンセプトを実現するために考えたのが『ESCHR(イシュー)』という概念です。ESCHRは『EYEWEAR SIZE CHART』から作った造語で、メガネのサイズをわかりやすく提供するためのものです。



I: ESCHRはどのような仕組みになっているのでしょうか?

石川: ESCHRは、従来のボクシングシステムというメガネサイズの世界共通表記を独自にアップデートしたものです。ボクシングシステムでは、例えば『46□22』と書かれている場合、四角の左側の数字がレンズの横幅、右側が鼻幅を示します。そして、この2つの数字を足したもの(この場合は46+22=68)がFPD(フレームPD)と呼ばれ、左右のレンズの中心から中心までの距離を示しています。



I: このシステムをさらにわかりやすくしたのがESCHRということですね。

石川: はい、その通りです。ESCHRはこのFPDをチャート化し、サイズごとに分類しました。特に日本人の平均的な目と目の幅を基準にサイズを再定義しています。日本人の平均PD(瞳孔間距離)は64mmで、PD64mmの人がかけやすいサイズがFPD68mmくらいになります。このFPD68mmをMサイズの基準とし、さまざまなブランドのフレームをサイズごとに分類しました。

I: ESCHRの使い方についても教えてください。

石川: ESCHRの使い方は非常に簡単です。まず、お客様のPDを測定し、PDに4mmを足した数値を基準に適正サイズを決めます。例えば、PDが64mmなら、64+4=68mmが基準となります。ただし、メガネ選びは算数ではなく、適正サイズはあくまで目安です。近視や乱視が強い場合は、さらにサイズを調整し、レンズを薄くすることで軽いメガネを作ることができます。



I: 店内での実際のメガネ選びはどのように行われますか?

石川: 店内の各フレームにはESCHRのサイズ表記がプライスと一緒に記載されています。お客様は気に入ったデザインを選びながら、直感的にサイズも確認できるようになっています。これにより、自分自身に最適なメガネスタイルに出会えるのです。そして何よりブランドに強く固執してほしくないので、店内のレイズとはブランドごとではなく、テイストごとに分けて陳列しています。

I: 最後に、なぜここまでサイズにこだわるのか、その理由を教えてください。

石川: 現在のアイウェアブランドの多くは、服や靴のようにサイズ展開を行っていません。その理由は、サイズを展開するためのコストが非常に高いからです。特に金属加工やチタンを使う場合、サイズごとに新たな金型が必要になり、そのコストがブランドの判断を難しくしています。そのため、多くのブランドは「ゴールデンサイズ」を作り、同じサイズのメガネが店頭に並ぶという現象が起きています。

I: 靴の例えが分かりやすいですね。

石川: そうですね。靴もサイズ展開が多いですが、店頭には一番美しい形をしている27cm前後のスニーカーが多く並びます。メガネも同じで、デザイナーは自然とゴールデンサイズを作ってしまうのです。もちろん例外もありますが、私たちはこの現状を打破し、より多くのお客様に最適なメガネを提供したいと考えています。

I: 本日はありがとうございました。これからも素晴らしいメガネ選びを提案してください。

石川: ありがとうございます。ぜひ店頭でESCHRを元にメガネ選びを楽しんでみてください。


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